産学教育連携 多様性(ダイバーシティ)促進と生産性向上が高等教育において意味すること 現代生活学科教授 犬塚 潤一郎 講師 谷口 浩二 の組 織経営上の要点として、日本人のような考え方をする外国人や、男性と同じように働く女性、若者のように考えふるまう高齢者が求められるのではなくて、ものの考え方、価値観、ライフスタイル、文化など、各自の違いを互いに尊重しあう関係をつくりあげることが強調されます。 少子高齢化を迎えたことによる人材不足 競争力の向上 多様性を持つ組織のほうが高い生産性を示す 多様性が生産性向上に結びつくというのは、企業活動の舞台である競争環境のほうが変化したことによると考えられます。今日の市場は、規模が大きく要素が多種化し、またその要素ごとの結びつきが短時間で変化を繰り返すという、流動化という特徴を備えるようになりました。あらかじめ想定した競争の舞台が、次の瞬間には無くなってしまったり、別物に変わってしまうということが繰り返されるような状況が訪れたのです。 絶えず変化する状況に対応できる組織とは、内部に多様性を持つものであるはずです。それでいて大前提はそれが競争環境であることから、各メンバーはその 持てる能力を最大限発揮するのでなければなりません。つまりは、一人ひとりに高い生産性が求められる、いいかえれば成果主義の組織ともなることが特徴です。従来の学校教育がこの新しい社会状況に対応できていない。新しい教育・学習のかたちが求められています。アクティブラーニングやプロジェクト型学習 流動化する社会現象への知的な対応という視点から、次の二軸を想定しました。 ◦総合的―場面的 (課題の複雑性=対象・現象のスケール) ◦特殊的―体系的 (学問的専門性=手法・技術のスケール) ここから、四つの組み合わせが現れます。 新しいアクティブ・ラーニングの取り組みは、この③「場面的で特殊的」な課題設定に焦点を当てること “ 場面的 situational”(一局面、限定的関係)な事態に“特殊的 specific”(その状況に合わせた特殊・具体的)な解を導こうとする手法 ありあわせで対処できる現場実行力と、自分の持つものをしっかりと向上させてゆく知的向上力とを、ともに成長させてゆく新たな学習能力の育成が必要