グレートブックス・セミナー 古典を今、ともに読むこと 生活科学部 現代生活学科 教授 犬塚 潤一郎 哲学思想の西洋古典テキストを基に、参加者で議論を楽しむ講座 テキストを読むということは、その解釈の歴史と概念の結びつきを研究すること 自身の生活や社会の実態と照らし合わせて、これまで〝現実〟ととらえてきたことについて、その真の姿をあきらかにしようとし、人間にとっての〝意味〟を問い直そうとする姿勢を皆で共有しようとする 哲学はすべての人のもの、と語ったM・J・アドラーによって開発されたグレートブックス・セミナー プラトン、アリストテレス、アウグスティヌス、トマス・アクィナス、シェークスピア、セルバンテス、デカルト、パスカル、スピノザ、カント、マルサス、ヘーゲル プラトンのエロース論 人間は感覚によってとらえられる現実・思惑の世界を生きているが、その一方で物事の本質・真理によってなる真実・イデアの世界を思わざるを得ない 家族が愛によって実体として理解される一方、国家は自然なものではなく理性による一体性、つまり法律によってなる 自分自身と家族の関係、伝統的な家族と現代の違い、大学を卒業し社会人となるときにそれまでの本質的な家族の意味が解体されること、現在の国家観における法律の感じ方、市場社会の発達で家族の機能が外注化されること、恋愛における自分の発見、一体感への不信感、格差社会に対する責任の所在など、様々な論点が提示され、議論が繰り広げられました。