“本当らしい”とはどのようなことなのでしょう。たとえば小説では、“ないこと”を“あるよう”に書かなければ誰もまじめに読まないでしょう。しかし、見かけの上ではまるで本物には見えない、マンガやアニメ作品に、面白さを感じて感動がもたらされるのはどうしてなのでしょう。一方、“ありえないことをあるように”みせる最新のCG技術が、丸や四角を組み合わせただけのようなアニメよりももっと“本当らしくない”のはどうしてなのでしょう。私たちは何を見て、何を真実として受け取っているのでしょう。
代表的なアニメ作品や映画作品を分析したり、古典的な絵画作品を体系的に捉え直したりすることを通じて、見ることと認識、表現の関係を深く探ってゆきましょう。まず、具体的な作品事例を参照しながら、視覚表現とその効果について、マルチメディア技術がもたらす今日の課題状況を分析します。それから、古典主義(=近代性)を軸として視覚芸術の歴史を見直してみます。その上で、もう一度現代の視覚状況を脱近代の枠組みでとらえ直すことを試みましょう。
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第1週 オリエンテーション
第2週 映像作品と日常の映像化
第3週 アニメーションの歴史
第4週 アニメーションの技術
第5週 アニメーションの作品性
第6週 アニメーションの市場
第7週 芸術と近代性:古典主義とマニエリスム
第8週 芸術と近代性:バロックと綜合
第9週 芸術と近代性:新古典と反古典
第10週 芸術と近代性:まとめ
第11週 脱近代の視覚と芸術
第12週 CG表現と世界観
第13週 脱芸術と社会
第14週 日本語と空間・時間
第15週 まとめ
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講義から
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はじめに
美術史など芸術領域だけでなくだけでなく、哲学・思想や社会学の専門用語が使われます。各講義において、キーとなる事項や概念・用語、参考となる資料などを紹介しますので、次の講義までに調べ、講義内容とのつながりの上で理解を深めるようにしてください。
投稿: 2014/04/16 2:17、jun inutsuka
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