みなさんは色とりどりの野菜や果物が一年中、スーパーに並ぶ風景を当たり前だと思っていないでしょうか?これらの多くは海外の大規模な農場で栽培され、数多くの流通業者や小売業者の手を経由し、船舶や車両によって長い距離を運搬されて私たちの手元に届いています。このような国際的な食料供給は効率的・安定的に食料を調達する観点からは重要ですが、その一方で近年、このような食料供給を支えてきた化石資源の枯渇のおそれ、食料の「生産」と「消費」の距離があまりに離れ過ぎてしまった状況などを背景として、地産地消やスローフードなどの社会的動きが高まりつつあります。
この授業では、ブラックボックス化されてしまっている食料の生産と消費のつながりについて家庭生活を起点として可視化するとともに、環境負荷の低減、省エネルギー、生産者と消費者のつながり等のメリットが期待される「地域を主体とした食料供給」について、その可能性と課題を理解することを目的とします。 |
第1回:はじめに(講義の進め方及び目標、イントロダクション)
第2回:国際的な食料消費(私たちの食卓(天ぷらうどんはどこから来たか))
第3回:国際的な食料流通①(食べ物が我が家に届くまで(フードマイレージ)) 第4回:国際的な食料流通②(食の安全をめぐる状況)
第5回:国際的な食料生産①(大規模農業の光と影(バーチャルウォーター、肥料、農薬))
第6回:国際的な食料生産②(日本の農業生産の現状)
第7回:グループワーク①(食料の輸入について考える)
第8回:地域主体の食料消費(スローフード運動、地産地消(学校給食での活用など))
第9回:地域主体の食料流通(「産地直売」と「産地直送」、製造業・流通業との連携)
第10回:地域主体の食料生産①(地域事業体の立ち上げ、在来種などの遺伝資源保護)
第11回:地域主体の食料生産②(有機農業・環境保全型農業)
第12回:地域主体の食料生産③(省エネルギー、地域エネルギーの活用)
第13回:地域主体の食料生産に関係する法律(食育基本法、六次産業化・地産地消法など)
第14回:グループワーク②(地域を主体とした食料供給について考える)
第15回:まとめ(これまでの授業の総括)
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講義から
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はじめに
化石燃料、金属資源、地下水の採掘限界が近づく時、地域的な食糧自給は可能なのか。現代の食料生産の複雑な相互関係構造を明らかにしながら、地産地消を可能とする条件、そのための新たな技術と社会制度について検討する。
投稿: 2014/04/16 3:00、jun inutsuka
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