メディアから風土へ

2014/04/14 9:04 に jun inutsuka が投稿

哲学の基本的問いは「人間とは何か」ということだと思います。その意味で哲学は全ての人のものです。一方、この普遍の問いも、時代や社会、自身がおかれている状況によって、「私」にとっての固有のかたちを取り結びます。現代社会では、メディアの発展、つまり社会のメディア的作り直しが進みました。またそれによって、人間の具体的生のありようも、メディア的なものに変容したように思われます。私はそれを、存在論的に(社会と人間とは何かを問う姿勢で)問うとともに実践に取り組んできました。またその歩みがいっそう、仮想性・抽象性の高さを特徴とするメディアとは逆の、人間の想いでは「動かない」、自然との関係から人と社会を問うことの大切さへと、私を進めてきました。「風土」とは、環境と人間との相互関係を表す言葉ですが、この風土性こそが、人間という存在の根本構造であるといえます。近年のグローバル化や環境問題などの現実課題を、以上のメディア学、風土学から考察し、具体的な手立てに繋げることをテーマとしています。

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