今年のゴールデンウィークは「近場で安く」という過ごし方が多かったという報道がありました。首都圏に近い千葉県市原市では、「いちはらアート×ミックス」というユニークな芸術祭が開催されています(会期5/11まで)。首都圏の客層をねらい、地元のローカル線を使って、小旅行気分で様々な現代アート・映像・演劇・ワークショップなどを楽しむと同時に、地域の生活文化や里山の風景に触れてもらい、地域の活性化にもつなげたいというものです。広域で行われていることもあって、行き当たりばったりでいくと、時間が果てしなくかかり、不消化となりがち。「予習」をばっちりして、電車とバスの乗り継ぎを調べてルートを考えて、お目当ての作品を見たりイベントに参加できると、ふつうの観光地で過ごすのとはちょっと違った素敵な思い出が得られます。「時間とお金さえあれば誰でも同じように楽しめる」というレジャーではなく、「楽しむためには能力が必要」というレジャーですね。こだわりをもってオリジナルの手作りの時間を紡ぎだす、こんな思い出作りをファミリーで楽しめるようになると、「どこに行っても人だらけ」ではなく、成熟したライフスタイルの姿が見えてくるように思うのですが・・・。そのような社会づくりのためには、いろいろな課題がありそう、というのもまた現実のようです。そこを、一つひとつ、丁寧に考えてみたいですね。 |