大相撲五月場所が熱戦のうちに終わりました。今場所は3横綱という話題に加え、伸び盛りの期待の関取にも人気が集まり、館内も大変にぎわっている様子でした。何年か前、いろいろな不祥事など重なって、相撲人気がすっかりなくなり、閑散とした館内がテレビに映し出されていたころが、うそのようです。こんなふうに変わるのだな、変われるのだな、とつくづく思います。たぶん「相撲の価値」の原点に戻り、努力された結果なのだろうと思いますが、一方、日本人と相撲の関係というのは、どこか借り物ではない、日本人の心の根っこに根ざす、本物の関係があるようにも思います。翻って、6年後には、2020東京オリンピックが。。。今場所の大相撲のような「観客とプレイヤーが一体となる」感じで、どの競技会場も沸き立つといいですね。そのためには、おそらくわれわれ観客側も、単に勝ち負けということだけで試合を見るのではなく、プレイヤーのプレイと一体となって、そこに共振できるかどうかが大切になるように思います。メジャーなスポーツだけでなく、マイナーなスポーツにおいても、「プレイ」ということでは全く同じなのです。高いレベルで戦う競技者の「プレイ」の中には、求めるものの高さゆえの美しさがあります。そこにおもわず引き寄せられて、豊かな時間を享受する。こうして見る人のレベルが上がることにより、プレイヤーとオーディアンスの関係が作り上げる成熟したスポーツ文化も生まれることでしょう。それは、おそらく、スポーツにとどまらず、音楽や美術・演劇など、他の文化・芸術表現においても、同じことがいえるでしょう。「見る」ことの歓びを深め、心豊かな文化の国のライフスタイルを求めていきたいなと思います。 |